マンガで分かる Java入門講座

第5章様々な処理
5-4. ループ処理1 for文

プログラムに大量の計算をさせたり、多くのデータを処理させたり際に威力を発揮する繰り返し処理を実現する「for文」を紹介します。

● ループ処理

　プログラムでは、繰り返し処理を多用します。その何度も繰り返す処理のことを「ループ処理」と呼びます。

● for文

　「for文」は、ループ処理の基本です。

　for文は、「for (初期化式; 継続条件式; 変化式) {繰り返す処理}」と書きます。for文の処理順序は分かり難いので、以下にその動作が分かる処理手順を示します。

説明）for文の処理手順

for (①初期化式; ②継続条件式; ④変化式) {
    ③繰り返す処理
}

説明）for文の処理手順分解

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃①初期化式（処理回数を示すカウンタを初期化）┃
┗┯━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　↓
┏繰り返し処理━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃②継続条件式(trueなら継続、falseならfor文を抜ける)┃│←┐
┃③繰り返す処理　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃│　│
┃④変化式（カウンタの値を変化させる）　　　　　　　┃└─┘
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

　以下、for文を使い、1から100の数を足すプログラムと、その処理手順を示します。

ソースコード）1から100の数を足す

int sum = 0;
for (int i = 1; i <= 100; i++) {
    sum += i;
}
System.out.println(sum);  // 「5050」と出力

説明）1から100の数を足す処理手順

┏初期化━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃int i = 1;　カウンタ用変数iを1で初期化　┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┏継続条件を判定━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i <= 100;　変数iの値は1なのでtrue 　┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┃┏━━━━━━┓　　　　　　　　　　　　┃
┃┃繰り返す処理┃　　　　　　　　　　　　┃
┃┗━━━━━━┛　　　　　　　　　　　　┃
┃┏変化━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i ++　変数1は1増えて2 　　　　　　　┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　：
　　↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┏継続条件を判定━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i <= 100;　変数iの値は100なのでtrue ┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┃┏━━━━━━┓　　　　　　　　　　　　┃
┃┃繰り返す処理┃　　　　　　　　　　　　┃
┃┗━━━━━━┛　　　　　　　　　　　　┃
┃┏変化━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i ++　　　　　　　　　　　　　　　　┃┃
┃┃変数iの値を1増やして101にする 　　　┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┏継続条件を判定━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i <= 100;　変数iの値は101なのでfalse┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　↓
┏━━━━━━┓
┃処理を抜ける┃
┗━━━━━━┛

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1-1
先生）
さあ今回は
ループ処理を
説明するぞ

1-2
遊）
ループ処理？
音楽をループ
させるみたいに
繰り返すの？

1-3
先生）
そうだ
同じ処理を何度も
実行させるんだ

1-4
┏┷━━┓
┃処理A ┃
┗┯━━┛
　│┌─────┐
　││┏━━━┓│
　││┃処理B ┃│100回繰り返し
　││┗━━━┛│
　└──────┘
┏━┷━┓
┃処理C ┃
┗┯━━┛
　↓

────────────────────
2

2-1
遊）
千回でも1万回でも
繰り返してくれるの？

2-2
先生）
ああ
指定した回数だけ
繰り返してくれる

2-3
先生）
試しに1から100までの
数を足すプログラムを
書いてみよう

2-4
int sum = 0;
for (int i = 1; i <= 100; i++) {
    sum += i;
}

────────────────────
3

3-1
遊）
うん？
いきなり
謎の書き方が
出てきたわね

3-2
先生）
ループ処理は
for文を使って
書くんだ

3-3
先生）
ちなみに for文は
こういった
構造をしている

3-4
for (①初期化式; ②継続条件式; ④変化式) {
    ③繰り返す処理
}

────────────────────
4

4-1
先生）
この処理が
どのように
繰り返されるのか
示すぞ

4-2
│
│┏━━━━━┓　┏━━━━━━┓　┏━━━━┓
└┨①初期化式┠→┃②継続条件式┃←┨④変化式┃←┐
　┗━━━━━┛　┗━━┯━━━┛　┗━━━━┛　│
　┌──────────┤　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
┏┷━━━━┓　┏━━━━━━━━┓　　　　　　　│
┃「false」 ┃　┃「true」なら継続┃　　　　　　　│
┃なら抜ける┃　┗━━━┯━━━━┛　　　　　　　│
┗┯━━━━┛　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　┏━━━━━━━┓　　　　　　　│
　│　　　　　　　┃③繰り返す処理┃　　　　　　　│
　│　　　　　　　┗━━┯━━━━┛　　　　　　　│
　↓　　　　　　　　　　└────────────┘

4-3
遊）
これじゃあ
よく分から
ないわね

4-4
先生）
for文では一般的に
処理回数を管理する
変数を用意する

────────────────────
5

5-1
先生）
そのカウンタ用の
変数をiとして
説明しよう

5-2
先生）
まず for文に
入るところで
カウンタ用の変数を
初期化する

5-3
│
│┏━━━━━┓　┏━━━━━━┓　┏━━━━┓
└┨int i = 1;┠→┃②継続条件式┃←┨④変化式┃←┐
　┗━━━━━┛　┗━━┯━━━┛　┗━━━━┛　│
　┌──────────┤　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
┏┷━━━━┓　┏━━━━━━━━┓　　　　　　　│
┃「false」 ┃　┃「true」なら継続┃　　　　　　　│
┃なら抜ける┃　┗━━━┯━━━━┛　　　　　　　│
┗┯━━━━┛　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　┏━━━━━━━┓　　　　　　　│
　│　　　　　　　┃③繰り返す処理┃　　　　　　　│
　│　　　　　　　┗━━┯━━━━┛　　　　　　　│
　↓　　　　　　　　　　└────────────┘

5-4
先生）
次に継続条件を
if文のように書く

for文の各処理の間は
「;（セミコロン）」
で区切る

────────────────────
6

6-1
│
│┏━━━━━┓　┏━━━━━━┓　┏━━━━┓
└┨int i = 1;┠→┃ i <= 100;　┃←┨④変化式┃←┐
　┗━━━━━┛　┗━━┯━━━┛　┗━━━━┛　│
　┌──────────┤　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
┏┷━━━━┓　┏━━━━━━━━┓　　　　　　　│
┃「false」 ┃　┃「true」なら継続┃　　　　　　　│
┃なら抜ける┃　┗━━━┯━━━━┛　　　　　　　│
┗┯━━━━┛　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　┏━━━━━━━┓　　　　　　　│
　│　　　　　　　┃③繰り返す処理┃　　　　　　　│
　│　　　　　　　┗━━┯━━━━┛　　　　　　　│
　↓　　　　　　　　　　└────────────┘

6-2
先生）
継続条件がtrueなら
「{ }」内の処理を行い
falseなら「{ }」を抜けて
for文を終了する

6-3
そしてtrueの場合は
繰り返し処理を行った後に
変化式の処理を行う

6-4
│
│　　┏━━━━━┓　┏━━━━━┓　┏━━┓
└for(┃int i = 1;┠→┃i <= 100; ┃←┨i ++┃) { ←┐
　　　┗━━━━━┛　┗━┯━━━┛　┗━━┛　　　│
　┌───────────┤　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
┏┷━━━━┓　　┏━━━━━━━━┓　　　　　　　│
┃「false」 ┃　　┃「true」なら継続┃　　　　　　　│
┃なら抜ける┃　　┗━━━┯━━━━┛　　　　　　　│
┗┯━━━━┛　　　　　　↓　　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　　┏━━━━━━━┓　　　　　　　│
　│　　　　　　　　┃③繰り返す処理┃　　　　　　　│
　│　　　　　　　　┗━━┯━━━━┛　　　　　　　│
　│} 　　　　　　　　　　└────────────┘
　↓

────────────────────
7

7-1
先生）
今挙げたプログラムでは
カウンタ用の変数i
の値を1増やしている

i  1→2→3→4…

7-2
先生）
この結果
どういった順番で
処理が進むか
まとめてみる

7-3,4
┏初期化━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃int i = 1;　カウンタ用変数iを1で初期化　┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┏継続条件を判定━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i <= 100;　変数iの値は1なのでtrue 　┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┃┏━━━━━━┓　　　　　　　　　　　　┃
┃┃繰り返す処理┃　　　　　　　　　　　　┃
┃┗━━━━━━┛　　　　　　　　　　　　┃
┃┏変化━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i ++　変数1は1増えて2 　　　　　　　┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　：
　　↓

────────────────────
8

8-1,2,3
　　：
　　↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┏継続条件を判定━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i <= 100;　変数iの値は100なのでtrue ┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┃┏━━━━━━┓　　　　　　　　　　　　┃
┃┃繰り返す処理┃　　　　　　　　　　　　┃
┃┗━━━━━━┛　　　　　　　　　　　　┃
┃┏変化━━━━━━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i ++　　　　　　　　　　　　　　　　┃┃
┃┃変数iの値を1増やして101にする 　　　┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　↓
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃┏継続条件を判定━━━━━━━━━━━┓┃
┃┃i <= 100;　変数iの値は101なのでfalse┃┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
　　↓
┏━━━━━━┓
┃処理を抜ける┃
┗━━━━━━┛

8-4
先生）
for文の
処理の流れは
分かったか？

────────────────────
9

9-1
遊）
ややこしいわね

9-2
先生）
ループ文は
条件分岐と共に
プログラムでは多用する

9-3
先生）
少し分かり
難いと思うが
しっかりと覚えてくれ

この講座のマンガ部分は「箱人形マンガ(Box Comic) 」で作成しています。

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作成：2013/05/22　更新：2015/08/09　 [Permalink]

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