マンガで分かる Java入門講座

第11章 Javaのシステム
11-6. Runtimeクラス

「java.lang.Runtime」クラスの中で、よく使うメソッドについて紹介します。

● java.lang.Runtimeクラス

　「ランタイム」は、プログラムの実行に必要な部品の集合です。「java.lang.Runtime」は、そういった情報を得たりすることができるクラスです。

　Javaの全てのアプリケーションは、Runtimeクラスのインスタンスを1つだけ持ちます。このインスタンスを取得することで、様々な操作を行えます。

ソースコード）Runtimeクラスのインスタンスを取得

Runtime r = Runtime.getRuntime();

リンク）java.lang.Runtime

https://docs.oracle.com/javase/jp/8/docs/api/java/lang/Runtime.html

https://docs.oracle.com/javase/jp/7/api/java/lang/Runtime.html

● メモリの状態を取得

　Runtimeには、メモリの状態を知るためのメソッドが用意されています。

説明）メモリの状態を取得するメソッド

// Java仮想マシンが使用を試みる最大メモリー容量を取得
public long maxMemory()

// Java仮想マシンのメモリーの総容量を取得
public long totalMemory()

// Java仮想マシン内の空きメモリーの量を取得
public long freeMemory()

　この命令を使うことで、メモリの状態をプログラム内から取得できます。

ソースコード）メモリの状態を取得

Runtime r = Runtime.getRuntime();
long f = r.freeMemory();
long t = r.totalMemory();
long m = r.maxMemory();
final float MB = 1024 * 1024;

System.out.println(""
    + "Free : " + (f / MB) + " MB\n"
    + "Use  : " + ((t -f) / MB) + " MB\n"
    + "Total: " + (t / MB) + " MB\n"
    + "Max  : " + (m / MB) + " MB"
);

出力）メモリの状態を取得

Free : 182.41739 MB
Use  : 0.95760345 MB
Total: 183.375 MB
Max  : 2721.8125 MB

● 実行ファイルの実行

　Runtimeを使うことで、実行ファイルを実行することができます。この命令は、内部的にはProcessBuilderクラスの機能を使っています。

　以下、execメソッドを使い、複数の引数付きで、アプリケーションを実行する例を示します。引数の配列の、最初の要素は実行ファイルのパスです。2つ目以降の要素は、実行ファイルの起動オプションになります。

ソースコード）実行ファイルの実行

Runtime r = Runtime.getRuntime();
try {
    r.exec(new String[]{
        "C:\Program Files\Internet Explorer\iexplore.exe",
        "-private",
        "https://www.google.co.jp/"
    });
} catch (IOException e) {
    e.printStackTrace();
}

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1-1
先生）
今回は
java.lang.Runtime
クラスの話をする

1-2
遊）
ランタイム？
聞いたことの
ない名前ね

1-3
先生）
ランタイムは
「プログラムの実行に
必要な部品の集合」
と思えばいい

1-4
先生）
Javaの全ての
アプリケーションは
Runtimeクラスの
インスタンスを
1つだけ持つんだ

────────────────────
2

2-1
先生）
このインスタンスは
newで作るのではなく
getRuntimeメソッドで
取得する

2-2
Runtime r = Runtime.getRuntime();

2-3
先生）
このRuntimeオブジェクト
を利用することで
プログラム実行環境の
情報を得たりすることが
できるんだ

2-4
遊）
へー
具体的には
どんなことが
できるの？

────────────────────
3

3-1
先生）
今回は2つの
機能を紹介する

3-2
先生）
1つ目は
メモリ情報の
取得だ

3-3
遊）
メモリ情報？
GCとかで解放する？

3-4
先生）
そうだ
そのメモリの状態を
取得するメソッドが
Runtimeクラスには
用意されている

────────────────────
4

4-1
● Java仮想マシンが使用を試みる最大メモリー容量を取得
public long maxMemory()

● Java仮想マシンのメモリーの総容量を取得
public long totalMemory()

● Java仮想マシン内の空きメモリーの量を取得
public long freeMemory()

4-2
先生）
これらは全て
バイト単位で
取得される

実際に
プログラムを
書いてみるぞ

4-3,4
Runtime r = Runtime.getRuntime();
long f = r.freeMemory();
long t = r.totalMemory();
long m = r.maxMemory();
final float MB = 1024 * 1024;

System.out.println(""
    + "Free : " + (f / MB) + " MB\n"
    + "Use  : " + ((t -f) / MB) + " MB\n"
    + "Total: " + (t / MB) + " MB\n"
    + "Max  : " + (m / MB) + " MB"
);

────────────────────
5

5-1
出力結果

Free : 182.41739 MB
Use  : 0.95760345 MB
Total: 183.375 MB
Max  : 2721.8125 MB

5-2
遊）
へー
プログラム内から
メモリの使用状況が
確かめられるのね

5-3
先生）
そうだ

5-4
先生）
そして
今回説明する
もう1つの機能は
実行ファイルの実行だ

────────────────────
6

6-1
遊）
実行ファイルの
実行って
回文みたいね

6-2
先生）
Windowsだと
EXEファイルなどを
実行することだ

6-3
遊）
Javaのアプリから
別のアプリを
起動できるの？

6-4
先生）
そうだ

じゃあ実際に
やってみよう

────────────────────
7

7-1
Runtime r = Runtime.getRuntime();
try {
    r.exec(new String[]{
        "C:\Program Files\Internet Explorer\iexplore.exe",
        "-private",
        "https://www.google.co.jp/"
    });
} catch (IOException e) {
    e.printStackTrace();
}

7-2
先生）
IEをプライベート
モードで起動して
グーグルを開く
というプログラムだ

7-3
先生）
引数の文字列配列の
最初の要素が実行する
プログラム

2番目以降は
その実行ファイルの
起動オプションになる

7-4
遊）
起動オプションが
多い場合は
配列の要素を
増やせばいいのね

────────────────────
8

8-1
先生）
そうだ

その他 Runtimeで
できることは
ドキュメントに書いてある
参考にしてくれ

8-2
java.lang.Runtime

https://docs.oracle.com/javase/jp/8/
docs/api/java/lang/Runtime.html

https://docs.oracle.com/javase/jp/7/
api/java/lang/Runtime.html

8-3
先生）
ということで
Runtimeクラスについて
説明した

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